概 要
Libera Digit 125は、4チャンネルを持つ汎用デジタイザーで、最大125 MHzのサンプリング周波数を提供します。この装置は、AC結合とDC結合のバージョンがあり、DC結合版は40 MHzの帯域幅を持ち、さまざまなセンサーからの信号を時系列で処理できます。AC結合版は10 MHzから700 MHzの帯域幅を提供し、ナローバンド信号やデジタルダウンコンバージョンアプリケーションに最適です。各チャンネルに最大8Mのデータサンプルを保存でき、広範なデータ処理機能を実現しています。
メリット
・ 高サンプリング精度: 125 MS/sの14ビットADCを使用し、精度の高いデータ収集が可能
・ 多様な接続オプション: AC結合およびDC結合の両方のバージョンがあり、さまざまなアプリケーションに対応
・ 可変ゲイン: DC結合版は31 dBの可変ゲインを備え、信号強度の最適化が可能
・ 広い帯域幅: AC結合版は10 MHzから700 MHzの帯域幅を持ち、異なる信号処理ニーズに対応
・ 柔軟なデータ保存: 最大8Mのデータサンプルを保存でき、データ取得の効率性を向上
・ 互換性: EPICS、Tango、Python、Matlab、LabVIEWと互換性があり、他のシステムとの統合が容易
・ 冷却不要: パッシブ冷却設計により、静音運転が実現され、信号処理環境に適しています。
仕 様
◆ハードウェア仕様
・ チャンネル数: 4チャンネル
・ サンプリング周波数: 最大125 MHz
・ A/D変換: 14ビットADC
・ バッファサイズ: 最大8 Mデータサンプルを各チャンネルに保存可能
◆入力信号結合
・ DC結合:
・ 帯域幅: 40 MHz
・ 用途: さまざまなセンサーからの信号の時系列処理に適しています。
・ AC結合:
・ 帯域幅: 10 MHzから700 MHz
・ 用途: ナローバンド信号およびデジタルダウンコンバージョンアプリケーションに対応。
◆データ処理
・ トリガ入力: 1つのLEMOトリガ入力を使用してデータ取得をトリガ
・ 動的レンジ: 広い動的レンジを持ち、さまざまな信号強度に対応可能
・ 減衰器: DC結合版に31 dBの可変ゲインを装備
◆インターフェース
・ 電源供給: Power over Ethernet (PoE) 対応
・ 互換性制御システム: EPICS、Tango、Python、Matlab、LabVIEWとの互換性
◆物理的特徴
・ 冷却方式: パッシブ冷却設計
・ 動作環境: 低消費電力で動作し、静音運転が可能
これらの仕様により、Libera Digit 125は多様な信号処理とデータ取得が可能で、研究所や産業用途における高精度なデジタイズに貢献します
ユースケース
1. シンクロトロン施設
用途: シンクロトロンからのビーム信号をデジタイズし、精密なビーム特性の分析を行う。
効果: ビームの安定性を向上させ、実験の信頼性を確保。
2. 高エネルギー物理学実験
用途: 粒子衝突実験におけるターンごとのビーム位置測定。
効果: 高精度のデータを提供し、新しい物理現象の発見を促進。
3. 医療用放射線装置
用途: 放射線治療において、ビームの位置や強度を精密に制御。
効果: 患者に対する放射線照射の精度を向上させ、治療効果を最大化。
4. 材料研究
用途: 材料特性評価や品質管理において、ビーム信号をデジタイズ。
効果: 材料の応答を詳細に測定し、研究開発を加速。
5. センサー信号のデジタイズ
用途: 様々なセンサーからの信号をデジタイズし、リアルタイムでデータ分析。
効果: 環境モニタリングや製造プロセスの最適化を実現。
6. 教育および研究機関
用途: 学術研究や技術教育のためのデジタル信号処理実験環境を提供。
効果: 学生や研究者が新しい技術を学び、実践的なスキルを習得するのに役立つ。
7. 産業用途
用途: 製造ラインやプロセス制御において、ビーム信号の測定を行う。
効果: 生産プロセスの信号監視や品質管理を強化し、効率を向上させる。
これらのユースケースにおいて、Libera Digit 125は高精度なデータ収集と処理を提供し、様々な分野での重要な役割を果たしています。
パフォーマンス
1. 測定精度
高解像度: 14ビットのA/D変換器により、非常に精度の高いデータ収集が可能です。特に、低ノイズ環境下での信号測定に優れています。
2. サンプリング周波数
最大125 MHz: 高いサンプリング率により、高速信号の正確なデータ取得が可能で、迅速なデータ分析を実現します。
3. 動的レンジ
広い動的レンジ: 90 dB以上の動的レンジを持ち、さまざまな信号強度に対応可能です。これにより、信号の詳細な分析が行えます。
4. 入力信号結合
AC結合およびDC結合: AC結合版は10 MHzから700 MHzの帯域幅を持ち、ナローバンド信号やデジタルダウンコンバージョンに最適です。DC結合版は40 MHzの帯域幅を持ち、センサーからの信号の時系列処理に対応しています。
5. データ取得モード
多様な取得モード: セグメント化されたバッファにより、32768サンプル以上のチャンクでのデータ取得が可能です。トリガー、オンデマンドなど、柔軟なデータ取得が可能です。
6. 冷却および消費電力
パッシブ冷却: 騒音が発生せず、強制冷却が不要な設計で、低消費電力を実現しています。
7. 互換性
多様なインターフェース: EPICS、Tango、Python、Matlab、LabVIEWと互換性があり、他のシステムとの統合が容易です。
これらのパフォーマンス特性により、Libera Digit 125は高精度な信号測定とデジタルデータ処理を提供し、様々な研究や産業アプリケーションにおいて重要な役割を果たします。
採用事例
Libera Digit 125は、以下の研究所や施設で広く使用されています:
・ HiSOR - 広島シンクロトロン放射線センター、日本
・ J-PARC - 高エネルギー加速器研究機構(KEK)、日本
・ KAERI - 韓国原子力研究所(KAERI)、韓国
これらの施設では、Libera Digit 125が高精度なデジタイズ機能を提供し、さまざまな科学研究や実験において重要な役割を果たしています。